SUSURI（ススリ）の、“ペコラパンツ”

景色一面緑が萌える山の斜面で、悠々と草を食む羊。
それを追う牧畜家をイメージしたかたち。

腰を紐で縛ってとめる簡素なつくりの古いパンツを視覚的に追って、ややハイウエストに。
グルグルと巻くようにもできる長めのベルトも同じ起点から。

サンキュロットのように木靴の上にくるような丈感や太さにし素朴な雰囲気。

経糸には、コットン糸を生成する上で漏れる毛足の短いコットンリンターからつくられる、
繊細でしなやかなキュプラを。
緯糸は、オリジナルで染めたリネン、ラミー、コットンの3種類を撚って染めています。

湿気のある海沿いの島の赤土をイメージしたブラウン。

オリジナル色に染めて打ち込んだ、落ち感のある甲州の生地を使用。
SUSURIオリジナルファブリック。

[ 1周巻き]



[ 2周巻き]

SUSURI 2021 spring & summer

「REMEMBERING」

これまでの日常が揺らぎ立ちすくむ日々の中で、見つめたのは記憶でした。

“記憶”、つまり過去に覚えた様々な感情や言葉、見聞きした事柄は自身の中にある、小さな引き出しが沢山ついたタンスに1 つ1 つ仕舞われていて必要な時には把手を引いて出してきて、組み合わせたりしたりしながら姿を表します。

“これは去年の夏に海沿いの町で見た鮮やかな花の色に似ている”
”古い修道院で出会った女性の笑顔のような静かで柔らかい印象”
”子供の頃に連れて行かれた何かの集会での仄暗い電灯の色“

といった感じに価値観が大きく動いている今、服として何をこれから提案していけるのかを模索しこれまでの記憶を消滅させることなく、たぐり寄せることにしました。

記憶をなくしては何も想像ができないから不確実で不均衡な流体の日々に起こる曖昧な気分の揺らぎを掬いたいとしてきたsusuri のかけらを思い出して、組み合わせて、とどまった今をそのまま表したシーズンです。