SUSURI（ススリ）の、ギャレードレス。

2024AWに製作した古いワークウエアイメージのデザインに、繊細なディテールをプラスさせたワンピース。

このドレスの主役は、群馬県で特別に織り上げられたオリジナル生地。
古いドローイングから生まれたペイズリー柄を、
テーマの映画に登場するレオパード柄のイメージで大胆にカラーチェンジ。

タテ糸を動かし、フワリと浮かせたヨコ糸を織り込むことで、立体感のある複雑な柄を表現。
さらに、不要な糸を手作業でカットする、手間暇のかかる特別な技法が用いられており、
職人のこだわりが詰まった風合いを生み出しています。

ボタンには、蚤の市で見つけた古い型をアレンジして制作されたものが使われており、
細部にまでヴィンテージの雰囲気を纏います。

ゆったりとしたシルエットでレイヤードスタイルも楽しめ、パンツやスカートと合わせた着こなしも。




〔 Black / size 1 〕　ladies torso

SUSURI - 2025 AUTUMN & WINTER

「SOMEONE ELSE」

今回も春夏に続いて旅がテーマです。
SUSURI にとって根幹であり普遍の題材である、
移ろう日常の曖昧なその時の気分を掬う“日々の旅”を昨年とは違う心持ちで見つめたシーズン。
モチーフにしたのは、パトリシア・ハイスミスの小説を元にした映画“ The Talented Mr.Ripley”。

奔放で裕福な御曹司との出会いによって幕が開く孤独で冴えない詐欺師の若者の運命の旅が、
キラキラとした夏の温もりに溢れた港町で友情を得てから動き出しやがて暗く生暖かい夜を持つ古都、
冷たい冬の運河の街へうねりながら流れ最後は孤独な大海の中へと追い詰められる逃避行へと変わる、
溺れるように息の詰まるスリリングな作品です。

この永遠に煌めき曇ることない美しい思い出に閉じ込められた物語は、
か細くも未来を切り開いていく意思を描くとともに自身の過去を振り返える旅の話でもあります。
奇妙な趣と普遍の道理、ロマンティックと素朴、空想と事実、女性と男性、
SUSURI の服つくりを見返して新しいご提案へと誘うテーマです。

春夏から続く物語の後半、一転して古都や運河のシックな街を舞台とした冷たい展開となっています。
闇夜のブラックを中心のカラーに、ベージュとブラウンを添えるパレットに、レッドを差しています。

全体のかたちつくりはディティールやサイズ感、素材の雰囲気や加工方法などで調合して、
縦のラインのアイテムと膨らみを持ったアイテム。様式の美さを求めた要素と違和感を取り込んだ要素。
マスキュラーなムードとフェミニンなムードの交換や合体。などのミックスを行いました。

1つの素材に対して静と動のアイテムを並べたり、同じかたちを使用する素材によって印象を変えたり、
春夏から継続したかたちや生地も雰囲気を変えてリリースしたりと、
テーマとなる二面性の同居をシーズン全体で表現しています。