ASEEDONCLÖUD 2023 S/S - Jiyusou
カラクリでできた町の時計台に住む時計技師のおじいさんと
その町から離れたところに住む好奇心旺盛の少年のお話
ある街には有能な時計技師のおじいさんがいました
彼は町の中心に大きな時計台を作り
毎日夜になると時計台の調整をしていました
ある日おばあさんが倒れてしまい
おじいさんは看病をしながら
おばあさんを楽しませるためにからくり人形を作ってあげました
しかし時計台の調整はすっかり忘れたままです
おばあさんが亡くなった後も
彼女との思い出を人形に吹き込んでいきました
しかし主人を失った時計台の時は止まってしまいそれっきりに
それから年月が経ち
カラクリの町から離れているところに住む少年が
自転車に乗ってカラクリの町にやって来ました
町に着くと時がとまった時計台が気になります
窓から中を覗くと素敵なからくり人形がたくさん並んでいます
しかしカラクリ人形を作っているおじいさんは何やら元気がありません
心配になった少年はおじいさんに声をかけ遊びに連れて行きます
遊び方を知らないおじいさんに
自然の中での遊び(昆虫採取、川遊び、木登り等)を教えていくうちに
おじいさんも真剣に遊びを楽しむようになります
そのお返しにとおじいさんも少年にからくり人形をたくさん見せてあげました
少年はおじいさんのからくり人形に夢中になり
より多くの人に見てもらおうとおじいさんに言いました
少年に教えてもらった遊び方をからくり人形にして
カラクリの町の未来の子供達に向け
遊び方を伝えるからくり時計を作ることにしました
からくり時計は完成して
時計台の時はまた動き出しました
からくり時計の中心には
おじいさんとおばあさんと少年が手を繋いだ像が今でも子供達に遊び方の大切さを伝えながら